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時事問題とたまに株の研究

日本学術会議問題 続報3 是枝監督ら22人 「表現の自由への侵害言論の自由への挑戦」

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是枝


是枝監督ら映画人有志
日本学術会議への人事介入に対する抗議声明」
 菅義偉首相は、政府から独立して政策提言する日本学術会議の新会員について、会議が推薦した105名のうち6名を任命しませんでした。
 同会議が推薦した候補を首相が拒否するのは本来あってはならないことです。1983年には当時の中曽根康弘首相が「政府が行うのは形式的任命にすぎない。学問の自由独立はあくまで保障される」と答弁しています。この答弁を引き合いに出すまでもなく、憲法23条は「学問の自由は、これを保障する」と定めています。
 この規定は、単に個人が国家から介入を受けずに学問ができることだけでなく、大学など公的な学術機関が介入を受けずに学問できることまで保障しているとの考えが通説になっています。元々、日本学術会議は、第二次世界大戦に科学が協力したことを反省し、1944年に設立されたもので、内閣総理大臣が所管し、経費は国費負担としつつも、独立して職務を行う「特別な機関」と位置づけられました。除外された6人の候補者は、安保法制や共謀罪に異を唱えた学者たちです。今回の任命拒否は、会議の理念を踏みにじるだけでなく、「会議の自律性とそれによって守られる学問の自由への挑戦」であり「政府に批判的な研究者を狙い撃ちにし、学問の萎縮効果を狙ったとみられても仕方ない」(江藤祥平上智大学准教授)ものです。
 内閣法制局は、安倍政権時代の2018年11月、同会議から推薦された人を「必ず任命する必要はない」ことを内閣府が示し、了承したことを認めています。その2年前2016年にも同会議の補充人事に難色を示し、3人の欠員が補充できませんでした。安倍政権がずっと狙っていたことを管政権が今回、ついに実行に移したのです。案の定、菅首相は「法に基づいて適切に対応した結果だ」と答え、加藤勝信官房長官も「政府として(任命除外の)判断をした。判断を変えることはない」という考えを示しました。菅政権は「説明責任」を果たさないこともまた継承したようです。また、菅首相は総裁選前のテレビ討論会で「政権の方向性に反対する官僚は異動」と公言していました。その矛先が学者、研究者に向けられたのです。次にその牙はどこに向けられるのでしょうか? この問題は、学問の自由への侵害のみに止まりません。これは、表現の自由への侵害であり、言論の自由への明確な挑戦です。
 それは今に始まったことでなく、安倍政権の7年8ヶ月間続いている、そして、「あいちトリエンナーレ」の助成金一時不交付から顕著になったことだと考えます。
 今回の任命除外を放置するならば、政権による表現や言論への介入はさらに露骨になることは明らかです。もちろん映画も例外ではない。

 ナチス共産主義者を攻撃し始めたとき、私は声をあげなかった。なぜなら私は共産主義者ではなかったから。次に社会民主主義者が投獄されたとき、私はやはり抗議しなかった。なぜなら私は社会民主主義者ではなかったから。労働組合員たちが攻撃されたときも、私は沈黙していた。だって労働組合員ではなかったから。そして彼らが私を攻撃したとき、私のために声をあげる人は一人もいなかった。
マルティン・ニーメラー

 私たちはこの問題を深く憂慮し、怒り、また自分たちの問題と捉え、ここに抗議の声を上げます。
 私たちは、日本学術会議への人事介入に強く抗議し、その撤回とこの決定に至る経緯を説明することを強く求めます。

2020年10月5日
青山真治 荒井晴彦 井上淳一 大島新 金子修介 小中和哉 小林三四郎 是枝裕和 佐伯俊道 白石和彌 瀬々敬久  想田和弘 田辺隆史 塚本晋也 橋本佳子 古舘寬治 馬奈木厳太郎 三上智恵 森重晃 森達也 安岡卓治 綿井健陽


6人任命拒否「安倍前政権以来続く、政治介入を象徴」 京大教員らも抗議声明
  日本学術会議が推薦した新会員の候補者6人が任命されなかった問題で、京都大の教員らでつくる「自由と平和のための京大有志の会」は6日までに抗議声明を出した。「正当かつ合理的な理由を明らかにできないのであれば、首相は6名を即時任命すべき」などとしている。
 同会発起人の一人である駒込武教授によると、同会は安保法制が成立した2015年、「学問は権力の下僕ではない」などとして学者の立場で戦争反対の声明書を発表。今回、学術会議会員に任命されなかった芦名定道教授も声明書の賛同者だという。
 同会が学術会議会員の任命拒否に関して発表した抗議声明では「安倍前政権以来続く、国家権力による政治介入を象徴する出来事」と指摘。首相と学術会議だけの問題ではなく、官邸から大学執行部、さらには大学の各部局へと「ガバナンス」が貫徹されることで、学問の自治が脅かされているとしている。
 このほか京大職員組合や、京都や滋賀にある計13の私立大の教職員組合でつくる京滋地区私立大学教職員組合連合も、学術会議を巡って抗議声明を発表している。 学術だけでなく国民全体の問題 官邸前で市民ら700人抗議集会  菅義偉首相が日本学術会議が推薦した新会員の 候補者6人を任命しなかった問題で、市民や研究者 ら計約700人(主催者発表)が6日、首相官邸前に 集まり、抗議集会を開いた。任命されなかった 小沢隆一東京慈恵医大教授(憲法学)も駆け付け 「学術だけでなく日本国民全体の問題だ。 国会で厳しく追及してほしい」と声を上げた。
 午後6時半ごろ、官邸前には「学問の自由を守れ」 「任命拒否を撤回せよ」と書かれたプラカードが 並んだ。小沢教授は「権力から独立して意見を述べ、国民の幸せを実現するのが学術会議だ。独立性を手渡してはならない」と訴えた。

立川談四楼 菅総理にダメ出し「より陰湿に安倍政権を継承している。クソだね」  
 落語家の立川談四楼(69)が7日、ツイッターを更新。日本学術会議の任命問題で非難を浴びる菅総理を「クソだね」とボロクソにこき下ろした。
 談四楼は「『学術会議人事 18年にも官邸難色』ときたよ。で欠員2年補充できずとなるのだが、つまりその前から動き出してたわけだ」と指摘。 「折しも安保法制、共謀罪に各分野から反対が巻き起こった頃で、やはり反旗を掲げる学者が邪魔だったんだね」と分析し「菅さんはここでもより陰湿に安倍政権を継承しているわけだ。クソだね」とメッタ斬りにした。
 優れた研究・業績のある科学者で構成される同会議の会員は210人(任期6年)で、3年ごとに半数が交代する。会議は105人を推薦したが、6人の任命が見送られ、1日に新会員99人が発表された。会員は特別職の国家公務員にあたる。
 菅総理は任命拒否の明確な理由を明かしておらず、野党は「学問への不当な政治介入」として反発を強めている。6人はいずれも批判的思考が重んじられる社会科学系の学者で、共謀罪特定秘密保護法、安全保障関連法に反対の立場を取っていた。
 日本学術会議法では、会議が選考した候補者を総理に推薦すると定められており、1983年の国会で中曽根康弘首相(当時)が「政府が行うのは形式的任命にすぎない」と答弁している。
 政府は法解釈の変更を否定しているが、2018年の内閣府の文書には、首相が学術会議の推薦に従う義務はなく、人事を通じ一定の監督権を行使できると記してあり、整合性が問われている。 学術会議の会員手当約4500万円 加藤官房長官が人件費示す  加藤勝信官房長官は6日の記者会見で、毎年約10億円が計上されている日本学術会議の予算のうち、人件費として支払われた金額を示した。加藤氏は令和元年度決算ベースと断った上で、会員手当として総額約4500万円、同会議の事務局の常勤職員50人に、人件費として約3億9千万円支払ったと説明した。「それ以外に旅費などが乗ってくる」とも述べた。
 一方、政府は同日、同会議の会員人事をめぐり、推薦通り任命する義務は首相にないとする内閣府見解をまとめた平成30年作成の文書を明らかにした。

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